海外旅行で使うべきカードを比較するためには、カード会社がどのように為替レートを決定し、更に海外事務手数料を徴収しているかなどを理解する必要があり、必然的に情報量が多くなります。今回は、従前から多くの解説記事のあるクレジットカード毎の海外事務手数料比較については大幅にショートカットしますが、結論から言うと、(付帯海外旅行保険を度外視して)海外旅行・海外出張で使うべきカードは、ソニー銀行発行のSony Bank Wallet(VISA) Debitの1択しか無いということについて解説していきます。
はじめに
このページに辿り着いた読者の方は、例えばGoogleで「海外旅行 クレジットカード おすすめ」などと検索したことがある人も多いと思います。しかし、そこで表示される回答の多くは、付帯海外旅行保険の比較か、カードそのもののポイント還元率比較か(そもそも海外利用にフォーカスした話ではない)、またはアフィリエイト収入を狙った総覧リストのような形になっています。
しかし、筆者が海外での生活を経て得た実感として、一般的に日本のショッピングで使われているクレジットカードを海外で使うと、必ずしも良くない「為替レート」で換算されてしまうことに加えて、「海外利用に係る事務処理コスト」が請求されており、非常にお得感が低いということです。これは、いくら還元率が高いクレジットカードを使っていても言えることです。
筆者自身、日本では陸マイラーとして還元率1.76マイル(約5%)の三井住友ANA VISA GOLDを愛用していましたが、海外旅行中にこのカードを日常使いすることはできません。なぜなら、決済の度に毎回「悪為替レート」と「高額海外事務手数料」を請求されるという2重苦に晒されることになるからです。
では、海外でクレジットカードを使った場合、クレジットカード会社からの請求はどのような算定式で求められているのかを順を追って見ていきます。
クレカ海外利用に係る変動値
どのクレジットカードを使うのが最もお得かを調べる為には、まず海外でショッピング利用した場合の変動値が何かを特定する必要があります。
例えば、イギリスで£100の商品をクレジットカード決済で買ったとしましょう。日本で発行されたクレジットカードであれば、以下の変動値で算出された金額が請求されることになります。
日本円での支払金額=£100 ×為替レート×海外事務手数料
したがって、為替レートが良くて、かつ、海外事務手数料が安いクレジットカードでの買い物がお得になることは一目瞭然です。
為替レート
この為替レートは、カードの国際ブランドによって異なります。
| 国際ブランド | 基準レート |
|---|---|
| VISA | VISAインターナショナルが定めるレート |
| MasterCard | MasterCardインターナショナルが定めるレート |
| JCB | JCBが定めるレート |
この基準レートの良し悪しは、クレジットカード完全比較のサイトで詳細に検討されていますが、一般的には、MasterCardが一番レートが良く、逆にVISAが一番悪いようです(つまり、若干ですがMasterCardの基準レートが円高に、VISAが円安に設定されていることから、日本円支払金額もMasterCardの為替レートで換算された場合に一番安くなるということになります)。ただし、基準レートは国際ブランドによって独自に設定されており、かつ毎日更新されるものですので、常にMasterCardが一番お得ということまでの断言はできません。上記の完全比較サイトでも、日によってはVISAの方が為替レートが良かったりする実証実験の結果が出ています。
したがって、本稿では国際ブランドごとの為替レートの違いは度外視します。
海外事務手数料
クレジットカード会社毎の海外事務手数料の比較は、色々な方が公開されていますが、参考までにPontaさんのブログの2019年3月時点の情報を転載させていただきます。原文は、こちら。
クレジットカード発行会社 海外事務手数料
| クレジットカード発行会社 | VISA | MasterCard | JCB |
|---|---|---|---|
| セディナ/ セディナカード | 1.63% | 1.63% | 1.60% |
| JCB/ JCBカード | – | – | 1.60% |
| 三井住友カード/ 三井住友VISAカード | 1.63% | 1.63% | – |
| 三菱UFJニコス/ MUFGカード | 2.16% | 2.16% | 1.60% |
| 三菱UFJニコス/ DCカード | 2.16% | 2.16% | – |
| 三菱UFJニコス/ NICOSカード | 2.16% | 2.16% | – |
| 三菱UFJニコス/ JAカード | 2.16% | 2.16% | – |
| 三井住友トラストクラブ | 2.00~2.50% | 2.00~2.50% | – |
| イオンクレジットサービス/ イオンカード | 1.60% | 1.60% | 1.60% |
| オリエントコーポレーション/ オリコカード | 1.63% | 1.63% | 1.60% |
| ジャックス/ ジャックスカード | 1.63% | 1.63% | 1.60% |
| アプラス(新生銀行グループ)/ ラグジュアリーカード | 1.63% | 1.63% | 1.60% |
| クレディセゾン/ セゾンカード | 1.63% | 1.63% | 1.60% |
| エポスカード | 1.63% | – | – |
| ポケットカード | 1.90% | 1.63% | 1.60% |
| ビューカード | 1.63% | 1.63% | 1.60% |
| NTTドコモ/ dカード | 1.63% | 1.63% | – |
| 楽天カード | 1.63% | 1.63% | 1.60% |
| ワイジェイカード | 1.63% | 1.63% | 1.60% |
| ライフカード | 2.00% | 2.00% | – |
海外でのショッピングで使えるVISA, MasterCardであれば、安い基準でも海外事務手数料が1.63%かかることになります。
上記クレジットカード完全比較のサイトでも検証されていますが、実際に、為替レートと海外事務手数料を掛け合わせた場合の日本円支払額は、為替レートが最も良いMasterCardを使った場合でも、外国為替相場仲値(TTM相場)に1.6%以上を為替+事務手数料として掛けた金額を支払う必要があると結論づけられています。VISAの場合、一般的に合計2%以上の為替+事務手数料がかかります。
これを上記の例のとおり£100の商品をイギリスで購入した場合に当てはめてみると(£1=150円と仮定)、MasterCardでは15,240円以上、VISAでは15,300円以上の支払いになります。
海外事務手数料が1.63%以上かかることを前提にすると、当然の結果と言えるでしょう。ここまでは、他のサイトでも紹介されている海外旅行で最もお得なクレジットカードの解説になります。
Sony Bank Walletはゲームチェンジャーになれるか

では、ここから紹介するSony Bank Wallet Debitは、普通のクレジットカードと何が違うのでしょうか。それは、外貨建て預金をそのまま現地通貨決済に使うことにより「海外事務手数料がかからない」ということに尽きます。外貨建て預金を支払いに充てることによって、なぜ、海外事務手数料を削除することが可能なのでしょう?
もともとクレジットカード発行会社が海外事務手数料として1.63%~2.50%の手数料を上乗せしている理由は、購入した商品の支払のために「外貨を購入して支払う」というプロセスをクレジットカード発行会社が代行していることに他なりません。日本のクレジットカード会社が外貨を購入する場合、外国為替相場仲値(TTM相場)よりも割高な外貨購入相場(TTS相場)が適用されますので、消費者に対する日本円での請求額も割高(円安)とせざるを得ないのです。
それでは、もし「外貨を購入する」というプロセスをクレジットカード会社に代行してもらうのではなく、「自分で」かつ「もっと良いレート(円高)」で行うことができれば、1.63%~2.50%の海外事務手数料を削減することは可能ではないでしょうか。
これを可能にさせてくれるのが、Sony Bank Wallet (VISA)のデビットカードになります!
Sony Bank Wallet (VISA)の実力
Sony Bank Walletの実力は、下の2つの画像が雄弁に語ってくれます。つまり、外貨預金普通口座に残高がある場合、カードを海外で使っても海外事務手数料が無料です。外貨を購入する手間をクレジットカード使用時のように外注していないからです。
そして、外貨購入を「自分で」行うことによるコストは、外貨購入の為替コストに反映されてきます。例えば、米ドル購入コストは、1ドルあたり0.15円(更にキャンペーン時は半額になったりします)。つまり、米ドルは約0.13%、ユーロは約0.11%、ポンドは約0.3%が外貨購入の為替コストということになります。一般のクレジットカードの海外事務手数料が1.63%も請求されることからすると大きな違いとなることは明らかでしょう。


上記で説明したことが全てですが、Sony Bank Walletの海外利用時の手数料についての公式詳細は、公式ページまで。ソニー銀行で適用中の現在の為替レートを調べるには、公式ページまで。
更に、外貨を「自分で」かつ「より良いレート(円高)」で購入することを可能にするソニー銀行を使うと、もう一つの無視できないメリットがあります。それは、外貨購入の時期を「カード使用時」に固定せず、主体的に「円高の時期を狙って」決定することが出来ることです。外貨購入を「円高の時」に行うことによって、約1.63%徴収されていた海外事務手数料だけではなく、カード国際ブランドによって自動的に決定されていた為替レートも自分のコントロール下に置くことが可能になるのです!
外貨購入はオンラインでワンクリックで出来るので特別な説明は不要かと思いますが、気になる方は、外貨購入のための外貨預金の詳細についてソニー銀行の公式ページも参考になさってください。
TransferWise (MasterCard)の実力
ここからはおまけになりますが、海外送金サービスのTransferWiseを使っている人にとっては、TransferWise発行のデビットカードも気になるところです。
2019年現在、TransferWise Debit MasterCardは、ヨーロッパに住所を有する人にしか配布されていません。しかし、ポンド圏又はユーロ圏に住所を有する人でこのカードを取得できれば、GBP⇔EURのコンバージョンレートは0.33%~0.34%になっていますので、一般のクレジットカードやデビットカードと比べると遥かに低い手数料になっていることが分かります。詳細はこちら。
しかし、0.33%という優秀な為替レートも、Sony Bank Walletの0.11%~0.13%という超優秀な為替レートには敵いません。この点だけを見ても、今のところSony Bank Walletの為替コストがチャンピオンということが言えるでしょう。
おまけ①
ソニー銀行の口座開設をする場合、色々なキャンペーンでポイント還元を受けられることが公式サイトに載っていますが、その中でも最もお得なのが、紹介プログラムを通じてソニー銀行から4,000円の現金プレゼント!気になる方は下記をチェックしてみてください。
おまけ②
ちなみに、海外でクレジットカードを使った際に「現地通貨で決済するか、日本円で決済するか。」を聞かれたことがある方は多いはずです。この場合は、迷わずに現地通貨決済にしましょう。
日本円での支払いを選択した場合、その場で支払金額を確定できるメリットはありますが、この場合の為替レートは「お店が独自に設定した」レートになります。つまり、国際カードブランド(VISA, MasterCard)が決定する為替レートよりも割高な為替レートをお店が独自に設定することによって、お店が利益を得ることを可能にした任意提供のサービスということです。
間違っても、「日本円決済」は選ばないようにしましょう!





最近のコメント